ユース年代の頂点に立った青森山田。悲願の高校選手権との2冠はあるか (5ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 松岡健三郎●撮影 photo by Matsuoka Kenzaburo

 黒田監督によれば、「今年のチームは(昨年度のチームから)4バックが全部入れ替わり、不安があった」。だが、「そのことを選手が十分理解し、監督、コーチの言うことを聞き、求められることを繰り返しやってくれた」という。卒業後にはFC東京入りが決まっている廣末は、「広島の攻撃を抑えられたことで、やってきたことが確立されていると確認できた」と、手応えを口にする。

 チームを初優勝に導いた指揮官は続ける。

「この時期、チームが固まってくると、選手が学ばなくなり、(監督やコーチが伝えようとする)情報が入らなくなり、成長が止まったりすることがある。だが、今年のチームは聞く耳を持って実践してくれている。だから、"まだまだ強くなる"と思っている。この優勝を自信にして選手権に臨みたい」

 卒業後のジェフユナイテッド千葉入りが内定している、背番号10の高橋もまた、「Jクラブのユースが強いと言われるなか、高体連の力を見せられた。(この優勝は)自信になる」と話す一方で、「選手権では(他校に)研究されるとは思うが、まだ自分たちにも詰めるところはある。いい準備をして臨みたい」と気を引き締める。

 はたして、青森山田は悲願の選手権初制覇、そして二冠達成がなるのだろうか。

 ユースチャンピオンが勲章を胸に挑む選手権は、12月30日に開幕する。

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