ユース年代の頂点に立った青森山田。悲願の高校選手権との2冠はあるか (3ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 松岡健三郎●撮影 photo by Matsuoka Kenzaburo

 広島の1人目、MF藤原慶人(ふじはら・よしと)のキックはコースが甘く、青森山田のGK廣末陸(ひろすえ・りく)がセーブ。同4人目、DF里岡龍斗(さとおか・りゅうと)のキックは左上を狙いすぎ、ゴールを大きく外れるミスとなった。

 その一方で青森山田は、1人目のMF高橋壱晟(たかはし・いっせい)が、GKが動くことを予想してど真ん中に蹴り込んだのをはじめ、ゴール上スミを狙う、あるいは強いボールを蹴ることにより、GKにコースを読まれても触られないPKができていた。

 ふたりが外した広島に対し、青森山田は4人全員が成功。スコアレスドローのままPK戦にもつれこんだ熱戦は、4-2で青森山田が制した。

 青森山田は、高校、クラブユースの枠を超えて日本一を争う唯一の大会を制したことで、ユース年代の頂点に立ったことになる。

 ユース年代の強化・育成を目的とし、全国リーグであるプレミアリーグが創設されたのは2011年。高校、クラブユースを問わず、トップ20のチームを東西に分け、それぞれ10チームがホーム&アウェーによる2回戦総当たりのリーグ戦を行なう。そして、東西の優勝チーム同士が高円宮杯CSでユース年代の日本一を争うようになった。

 以来、6回を数えるユースチャンピオン決定戦で高校のチームが優勝するのは、2013年の流通経済大柏以来、2チーム目のことである。黒田監督が感慨深げに語る。

3 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る