クラブW杯1強6弱の現実も「ガンバレ鹿島、レアルの本気を引き出せ」 (5ページ目)

  • 浅田真樹●文text by Asada Masaki
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio


 もちろん、1強には1強なりの難しさもあるだろう。

 レアルにとっての日常はリーガ・エスパニョーラであり、UEFAチャンピオンズリーグである。残念ながらクラブ"ワールドカップ"とはいうものの、この大会はレアルの日常よりもレベルが落ちる。勝って当然、負ければ赤っ恥。よりレベルの高い相手と対戦できるからと、高揚感とともにこの大会に臨める他の6チームとは、その点において大きく異なる。モチベーションを維持することは簡単ではないはずだ。

 だからこそ、フランス人指揮官はかつて自身も現役時代に手にしたことのあるインターコンチネンタルカップ、すなわちトヨタカップを引き合いに出し、タイトルを取ることの重要性を口にする。

「カップの名称は変わったが、クラブワールドカップは我々の目標である。選手たちはプロ。目標を定めており、それを達成するためのモチベーションは高い。この大会で勝ち残り、カップを持ち帰ることを考えている」

 必要なのは、相手うんぬんではなく、自分たちの力を発揮すること。ジダン監督は決勝で対戦する鹿島について、「(準決勝の)試合は見た。どのチームとも対戦する可能性があるので、常にすべてのチームの試合を見ている。日曜までに細かく分析したい」と話してはいたが、実際のところは「自分たちのプレーに専念している。時差ボケや長旅の疲れはあるが、試合には集中して臨みたい」というのが本音のようだ。

 そして、「決勝まで中2日しかないので、疲れを取るため、とにかく体を休めたい」と何度も繰り返した。

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