未知なる相手への恐怖は消えた。鹿島にクラブW杯決勝へのチャンスあり (5ページ目)

  • 浅田真樹●文text by Asada Masaki
  • 松岡健三郎●撮影 photo by Matsuoka Kenzaburo

 次の準決勝で対戦するのは、南米王者のアトレチコ・ナシオナル(コロンビア)。マメロディ以上に力のある難敵ではあるが、南米という比較的なじみのある相手でもある。しかも、鹿島は事前に未知のスピードを体感することもできた。ブラックアフリカンの身体能力に翻弄され、苦しんだ分だけ得たものも大きかった。今度の準決勝では、実力的な差はともかく、余計な恐怖心を感じることはないだろう。

 加えて、鹿島が2連勝で勢いに乗っているのに対し、アトレチコ・ナシオナルはこれが大会初戦。鹿島に疲れはあるだろうが、試合への入りやすさでは間違いなく分がある。永木が語る。

「今、チームには勢いがある。チームがひとつになって過密日程を乗り切ろうとしている」

 昨年の大会の準決勝で、サンフレッチェ広島がリーベル・プレート(アルゼンチン)に敗れた試合を振り返っても、日本と南米というイメージほどに力の差はなかった。地の利も含め、鹿島には十分に勝つチャンスがあるはずだ。

 年間勝ち点3位からJ1王者へと駆け上がった瞬発力は、今大会でも健在。鹿島は勢いをそのままに、南米王者に挑む。

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