未知なる相手への恐怖は消えた。鹿島にクラブW杯決勝へのチャンスあり (2ページ目)

  • 浅田真樹●文text by Asada Masaki
  • 松岡健三郎●撮影 photo by Matsuoka Kenzaburo

 前半のシュート数はマメロディの11本に対し、鹿島はゼロ。鹿島はシュートを打つ以前に、まともに攻撃態勢を整えることさえ難しかった。もちろん、こうした試合では、押されていた側が最終的に勝利することが珍しくない。何度となく訪れたチャンスを逃し続けていれば、次第に試合の流れは変わる。

 まして相手はアフリカのチームである。イケイケで攻めている間はいいが、なかなか点が取れないと次第に守備がおろそかになり、バランスを崩して自滅する。サッカーの常識に照らせば、いかにもマメロディに落とし穴が待ち受けていそうな試合展開だった。

 実際、試合はその通りに進んだ。ガラッと流れが変わった後半、鹿島は完璧にマメロディ・ディフェンスを崩してチャンスを作り、2点を奪って勝利した。もはや常套句(じょうとうく)となっている「勝負強さ」を発揮した、鹿島のしたたかな勝利といえなくはない。

「アフリカチャンピオンズリーグではこのレベルでも十分だが、世界ではちょっとしたところを相手が突いてくる。鹿島は時間が経つとどんどん強くなり、ラスト10分、20分で勝負を決められるチーム。チャンスで得点しないといけなかった」

 マメロディのピトソ・モシマネ監督もそう語り、鹿島の力が上回っていたことを認める。

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