セミプロ相手に薄氷の勝利。クラブW杯で鹿島の「内弁慶」がまた出た (5ページ目)

  • 浅田真樹●文text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影photo by Sano Miki


 オークランド・シティとは力の差があったため、結果的に逆転することができた。だが、相手の力がもう少し上なら、先に与えた1点が致命傷になっていた可能性は十分にある。決勝点をアシストしたFW土居聖真は、「失点してから返せたのは、力があるからできることだが」とつけ加えたうえで、こう語る。

「失点してからギアが一段階上がったが、失点する前に自分たちからギアを上げていかないといけない。試合が決勝に近づくと(相手が強くなると)、1点の重みが増す。(逆転勝ちではなく)先制して追加点を取り、2-0、3-0で勝つのが理想」

 日本国内の大会では際立つ勝負強さを発揮しながら、これまで何度となくACLで「裏の顔」を見せてきた鹿島。オークランド・シティ戦ではまたしても裏の顔、すなわち内弁慶ぶりを垣間見せた。

 Jリーグ屈指の常勝軍団として君臨する鹿島は来季、7回目のACLに挑む。そこで新たな勲章を得るためにも、今大会は海外勢に対する免疫を作る絶好の機会となるはずだが、果たして鹿島はこれを生かせるのだろうか。

 多くの選手がサッカーのほかに仕事を抱えるセミプロチームを相手に、薄氷の勝利。内弁慶が前途多難のスタートを切った。

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