「強いセレッソを取り戻す」。柿谷曜一朗、山口蛍が語る3年ぶりのJ1 (3ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by Etsuo Hara/Getty Images

 もちろん、岡山戦に関して言えば、1点取られたとしても問題はなかった。だが、いつまでも脆(もろ)さを露呈したまま、J1へ戻るわけにはいかない。そんな強い決意が、この日のセレッソからはうかがえた。山口が続ける。

「京都戦の教訓がすごく生かされて、今日はしっかり全員で守り切れた。チームで戦うっていうことが出せた試合だったと思う」

 J1昇格へのラストチャンスへ向け、チームがひとつにまとまるという意味では、やはりキャプテンの復帰が大きかった。

 今季、セレッソのキャプテンを任されたFW柿谷曜一朗は、今季途中で痛めた右足首を手術し、シーズンの半分以上を棒に振った。チームを引っ張る立場にありながら、5カ月もの間ピッチに立てず、不甲斐なさに苛(さいな)まれた。

 だからこそ、シーズン最後の大一番ではチームの力になりたかった。ならなければいけなかった。柿谷が語る。

「セレッソで初めてタイトル、と言っていいかどうかわからないが、タイトルがかかった試合でピッチに立てたこと、セレッソの一員としてプレーできたことに、まずはこの5カ月間、自分の足のために全力で付き添ってくれたメディカルスタッフには、ホントに感謝し切れないくらい感謝している。僕の性格上、プレーできないとイライラしてしまうという精神的なところも含め、僕のわがままを全部飲み込んで、最後この試合に出るために全力でやってくれた」

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