ファジアーノ岡山、初のJ1へ「セレッソとの噛み合わせは悪くない」 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 共同通信●写真 photo by KYODO

 12月4日。セレッソ大阪とのプレーオフ決勝も、岡山には勝利しか道はない。

 J2リーグ終盤、岡山は失速している。37節のツエーゲン金沢に黒星を喫して以来、2分け4敗。勝利から見放されていた。

 不振が伝えられたが、実は勝ち筋を探ってきた結果だった。

 金沢戦は1人退場で10人になりながら、果敢に勝利を追求。無理がきかず、自爆する形で敗戦に終わった。その後の試合も、プレーオフを想定した「勝ち切る」にこだわる。41節の清水エスパルス戦は敗れたものの、後半は1点差に追い上げ、前傾姿勢を失わなかった。最終節、ザスパクサツ群馬戦は前半で3点を決め、3点を取り返されるも、目標の勝ち点1は確保した。

「(気持ちの部分で)勢いをつける必要はありました。うちは本質的な部分で、ボールに向かっていくという気迫がないと。血が騒ぎ出すような戦いをするしかない」

 勇敢さによって、岡山の戦闘力は増した。すれすれの戦いを楽しむようなところが出てくるようになった。例えば松本戦、ファーストシュートを放った矢島慎也は笑顔さえこぼしていた。

 結局のところ、腹を括れるか、だろう。

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