一発勝負のCS準決勝。川崎Fと鹿島が抱えるそれぞれの不安材料 (4ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by Getty Images

 今シーズンの直接対決の結果は、川崎Fの1勝1分。相性では川崎F優位と見られるが、ともに絶対的な要素を備えていない以上、勝敗を予想するのは困難極まりない。早い段階でスコアが動けば川崎F、終盤まで膠着(こうちゃく)すれば鹿島。おそらく、そんな試合になるのではないか。

 決勝で待ち受ける浦和にとっても、未知の戦いとなるだろう。唯一、2年連続での参戦となるが、昨年は準決勝で敗退。ホーム&アウェー方式のファイナルは経験していない。今季の戦いを踏まえれば、その安定感は3チームの中で群を抜く。課題の勝負弱さも払拭し、ルヴァンカップ決勝も含め、大事な試合で結果を出せるチームへと変貌を遂げている。額面どおりの力を発揮できれば、浦和が王者に輝く可能性は限りなく高い。

 浦和にとっての不安は、スケジュールと言えるかもしれない。「試合間隔が空いてしまうと勝てないのが浦和レッズ」とMF柏木陽介が冗談めかして話したが、リーグ最終節(11月3日)から決勝の第1戦(11月29日)が行なわれるまで、4週間近くも間隔が空く。11月12日に天皇杯があったとはいえ、それでも2週間以上実戦から離れることとなるのだ。新シーズンを迎える状況に近いとは言いすぎだろうが、シーズンのいい流れを保つには、時間が経ちすぎてしまった感は否めない。

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