清水エスパルスが危機的状況からJ1昇格を果たした「大逆転」の真相 (4ページ目)

  • 望月文夫●文 text by Mochizuki Fumio
  • 日刊スポーツ/アフロ●写真 photo by Nikkan sports/AFLO

 その鄭大世と大前の2トップが叩き出した今季の得点はトータル44点。それだけで、J2で戦う22クラブ中8クラブの総得点を上回っている。さらに、チーム全体の総得点は85点。もちろん、J2リーグトップだ。続く札幌(65得点)とは20点もの差をつけ、断トツの得点力が昇格の原動力となったのは明らかだった。

 小林監督はこれまで、「清水には高い能力を持った選手がそろっている」と繰り返してきた。この得点力は、まさにその力が引き出された結果であり、選手たちの能力の高さの証明でもある。それはまた、来季J1でも十分に戦っていける戦力であることを示しているのではないだろうか。

 災い転じて福となす――今季の清水は思わぬ停滞を強いられ、守護神やエースらが負傷して、いくつもの災いが降りかかってきたが、そのつど危機感を持った選手たちが、自らのポテンシャルを覚醒させて強さを発揮した。大逆転の昇格劇によって、ひと回りも、ふた回りも成長したエスパルスの、来季の飛躍に期待したい。

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