胸を張る松本山雅・反町監督。3位で終戦も昇格プレーオフに自信あり (4ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 日刊スポーツ/アフロ●写真 photo by Nikkan sports/AFLO

 その4分後、松本はCKをヘディングで叩き込まれ、同点に追いつかれる。らしくはない。今シーズン、1-0で勝利した試合が8度。手堅さを信条にしてきた。0-0、1-1の引き分けは合わせて9度。撃ち合いをするチームではない。

 しかし目標を遂げるには、プレーモデルを超越した何か、が必要なのかもしれない。

「今日のセットプレーは高崎、飯田がマンツーで相手につかれた。そこで、フリーの後藤(圭太)にボールを集め、何度かいい形になった。それは私が指示したわけではない。選手たちが戦況を見極め、アレンジし、自分たちでやれるようになっている。選手がどの状況でも慌てなくなった」

 反町監督は選手の自立心、逞しさを讃えた。連戦で疲労や痛みのない選手はいない。共闘する中で勝利に近づけるか。

 そして試合終盤には、指揮官が仕上げの手を打つ。セットプレーの得点を狙い、キッカーの宮阪政樹、長身FWの三島康平を投入。宮阪の左CKを三島がニアで合わせ、逆転に成功した。セットプレーの得点はシーズン22点目、計算が立つ武器だ。

「プレーオフは(三島を入れた)2トップでいきます、って書いておいて(笑)」

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