胸を張る松本山雅・反町監督。３位で終戦も昇格プレーオフに自信あり (2ページ目)

「硬さはあったと思う」。松本陣営は口を揃えた。緊張で考えすぎ、慎重になって出足が鈍り、判断が遅れた。結果、後方からクロスを入れるだけの単調な攻撃になり、横浜FCにペースを握られてしまう。とりわけ、前線のイバにポイントを作られ、攻守を分断された。

「イバにボールが収まっていた」（松本DF、飯田真輝）

　そして９分、DFがイバに食いついてしまい、乱れた背後を破られ、斜めに走り込んだ野崎陽介に先制点を叩き込まれてしまった。

　もっとも、反町監督はこのとき試合の勝算を弾いていた。

「相手のセンターバックは、珍しくマンツーマンで高崎（寛之）についてきた。左右にもついてくるので、守備のバランスそのものはよくない。２点は取れるな、と思った」

　松本が反攻に出る。シャドーに入った工藤浩平がボールの流れを生み出した。「Mete y Saca」（入れる、戻す）というフットボールの基本を体現。下がって受け、それを左右にワンタッチで叩くことで、敵の守備のギャップを生む。徐々にペースを取り戻し、ペナルティエリアでのプレーが増えていった。

　その結実というべきか。前半終了間際、高崎、岩間雄大が立て続けにシュートを打ち、ゴール前での混戦でPKの笛が吹かれる。審判が幽霊のハンドを見たのか。不可解な判定だったが、これを高崎が沈め、同点とした。