Jリーグも捨てたもんじゃない。浦和×川崎Fが見せた極上のサッカー (3ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 こうなると楽しみなのが、11月23日に始まるJリーグチャンピオンシップである。

 天皇杯の4回戦という早い段階で、J1年間勝ち点1、2位が対戦してしまったことは、天皇杯の今後の楽しみを考えるともったいなかった。だが、チャンピオンシップを前に、両者の直接対決が実現したことは因縁めいていて面白い。

 しかも、前哨戦となった今回の対戦では、激しくボールを奪い合った結果、ファールを巡って何度もピッチ上で小競り合いが起きるなど、一触即発のムードも漂った。どちらが勝ったとしても、遺恨を引きずってチャンピオンシップへと向かう。そんなただならぬ雰囲気も、外野から見ている分にはエンターテインメント性を盛り上げる要素だった。

 もちろん、両者がチャンピオンシップ決勝で再び顔を合わせるためには、まずは川崎が準決勝で鹿島アントラーズを倒さなければならない。準決勝は川崎のホームゲームとはいえ、一発勝負だけに何が起こるかわからない。

 それでも、年間勝ち点3位の鹿島を勝ち点10以上も突き放し、マッチレースを繰り広げた浦和と川崎。やはりこの両チームこそ、決勝で対戦するにふさわしい。

 天皇杯では敗れた浦和のFW興梠慎三も「チャンピオンシップは絶対勝ちたいタイトル。川崎ともう一度やりたいと思っている」と話し、借りを返す機会を心待ちにする。

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