自力での自動J1昇格消滅。16戦負けなしの松本山雅に何が起きたのか (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 松岡健三郎/アフロ●写真 photo by AFLO

「芝生が深く、ボールが走らないピッチだった。そこでハイプレスをかけられ、ボールを引っかけられて。町田に守備からリズムを作らせてしまい、押し込まれた」

 先制点を浴びたのは前半12分、相手GKからのありふれたロングキックだった。

 右CB後藤圭太が161cmの小兵FWに勝ちきれずボールがこぼれ、左サイドに出される。この時点でまだ「安全圏」だったが、CB飯田真輝がバックステップを踏み、一瞬ギャップが生まれ、そこを敵選手に突かれる。右WBの田中隼磨が追走するが、数的優位もポジション的優位を取られる。飯田はスピードで振り切られ、逆サイドへの折り返しを中島裕希にボレーで叩き込まれた。

 その後もCBがしばしばサイドに釣り出されるが、反町監督はベンチで戦況を見つめるしかない。

「町田は、『サイドを人数かけて攻め、深いところまで入ってクロス』というのがパターン。分かっていたのにやられてしまった。事前にしつこく伝えたことで、選手が意識しすぎたのかもしれない。結局はDFラインにギャップが生まれ、高く保てず、ずるずると下がって、横を向かされ、背中を取られた」

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