モーツァルトを聴き叩き込む。
サガン豊田陽平が語る奥深いゴールの極意

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by AFLO

 それが代表関係者から漏れ聞こえる「不選出」の主な理由だろうか。

 しかし、結果を残している選手をチームの中で最大限に融合させるのが、代表チームの存在意義でもある。

「代表は諦めていないですよ。狭き門だなぁ、と思いますけど」

 豊田はその胸中を明かす。

「僕は可能性がある限り目指し続けます。(大久保)嘉人さんみたいに、『代表でプレーする』と言い続け、結果も残し続けて。(本田)圭佑は、"俺を突き上げてこい"って言っているらしいですが、どのチームでプレーしているか、どのリーグに在籍しているか、よりも、実際にどういうプレーをしているのか、でチョイスしてほしい。武藤(嘉紀)が結果を出しているなら武藤を呼ぶべきだし、オカ(岡崎慎司)ならオカ、嘉人さんなら嘉人さんとか。調子がいい選手、結果を残している選手を選んでほしい。そこの競争はフラットであってくれ、と」

 豊田は言葉を選びながら、代表の自由競争化を望んでいる。それは1人のプロサッカー選手として当然の願いだろう。不満を口にしているわけではなく、彼はむしろ、自らがやるべきことに集中している。

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