モーツァルトを聴き叩き込む。サガン豊田陽平が語る奥深いゴールの極意 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by AFLO

「頭で(ゴールを)獲れる。そこで人より差をつけている、という自負はあります。でも、まだまだいろんな人に伝えられていないと思うし、それは理解してもらえるようにもっと結果を残していかないと、と思います」

 今シーズン、ヘディング6得点はリーグ最多だ。

「でも、(ジュビロ磐田の)ジェイは対戦して、でかいなぁという印象でした。あれだけ身長があって、軸もぶれないから、上体だけで強いボールをヘディングで飛ばせる。一度競り合ったとき、自分が触れなかったボールを当てられましたから」

 豊田はそう言って相好を崩した。客観的な視点が、なんとも彼らしい。

 Jリーグにおける豊田は継続的に結果を残し、ストライカーとしてのキャラクターもはっきりと伝わる。にもかかわらず、日本代表では不遇のまま。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督には代表合宿に召集されたものの、出場機会はない。アルベルト・ザッケローニ、ハビエル・アギーレには貴重なバックアッパーと位置付けられていただけに、優先順位はさらに下がってしまった。

 積み上げ続ける成績と処遇が反比例し、理不尽にも思える。

「鳥栖は高さを武器にする豊田を中心に戦っているが、代表はそういうわけにはいかないし、彼の求めるボールも入らない」

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