「優勝の夢が消えたレッズ戦」。豊田陽平と振り返るサガン鳥栖の今季 (5ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 山添敏央●写真 photo by Yamazoe Toshio

「マネジメントもうまいですね。仙台戦後に4連休になったんですけど、その前のミーティングで来季のことを伝えながら、『私は残るつもりでいる』と。そう言われることで、(休み中も)選手は油断できなくなります。勝負事に対し、隙を作らない。徹底的に甘さを排除する。鳥栖はそういうチームになるべきだと思うし、それができない選手には居場所がないでしょう」

 常勝チームになるには、戦力向上も欠かせない。システムや戦い方は異なるが、水沼宏太(FC東京)と藤田直之(ヴィッセル神戸)という昨季までの「配球役」の不在は最後まで響いた。トップにクロスを入れ、堅実に守れる右サイドバックとプレーメイキングができるボランチの補強は急務だろう。右利きの選手ばかりなのもマイナス。欲を言えば、左利きの左サイドバックがいたらピッチを広く使えるし、パスの巡りもよくなる。

 そしてなにより、全員が最後まで勝利に執着できるか――。

 10月22日、柏レイソルの本拠地に乗り込み、2-3と白星を飾った。セカンドステージ優勝の望みがあった柏を粉砕。新鋭、鎌田大地が2得点を記録している。

 10月29日、上位の横浜F・マリノスをホームに迎え、2-2と引き分け。在籍7年と鳥栖の旗手だった金民友が、自らのホーム最終戦を飾るように先制点を挙げ、一時は2-0とリードしたものの、猛攻を凌ぎきれなかった。

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