「優勝の夢が消えたレッズ戦」。豊田陽平と振り返るサガン鳥栖の今季 (4ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 山添敏央●写真 photo by Yamazoe Toshio

「例えば仙台戦(14節)は、優勝も降格もない状況だったんですが。やっぱり、メンタルのところですよね。甘さ、緩さが出て、勝ちきれなかったんです。試合後、監督に言われましたが、『結局、こういう試合を落としているようなら、来季も勝てない。これを勝てるようになってこそ、優勝に挑める。なにもかかっていない試合は落として、優勝のかかった試合に勝てるということはない』と。その通りだと思います」

 一事が万事ということか。

「マッシモとプレーすることによって、チームのプレー認識は上がったと思いますよ。戦術確認の部分で、最初はトリプルボランチのスライドなど大変な部分もありましたが、守備の部分で立ち返れるところができるようになりました。つなぐところもできるようになった部分はあって......。タイミングができたら縦に入れる、という応用までいけたらよかったですけど、信じて取り組めたと思います」

 チームとしての成績には、見るべきものはない。しかし、初めてのヨーロッパの監督を迎えた1年目、降格という事態は回避。来季に向けて、18歳の石川啓人をデビューさせるなど、伸びしろを残している。

「マッシモは信頼を与えてくれたし、どうやったら彼に干される選手がいるのか、思いつかないですよ」と豊田は言う。

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