風間八宏のフロンターレ5年間を象徴。
大久保嘉人なしで成り立つのか

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by AFLO

 今季の川崎Fはケガ人が多く出たこともあり、登録されたほとんどの選手が公式戦のピッチに立った。そのなかで、メンバーが代わっても、あるいはシステムは変わっても結果を出せたのだから、「誰が出てもチーム力が落ちない」という、強豪クラブに必要な要素が備わっていたと言っていい。

 一方で、ファーストステージは2位、セカンドステージは3位、年間順位は2位という結果に終わったように、大事な試合で結果を出せず、またしても勝負弱さを露呈してしまったのも事実。重要な一戦で中心人物を抑えられたとき、それでもチームとして機能できるかどうか。川崎Fにはおそらく、その要素が欠けていた。

 とりわけ、ボールを保持し続けるサッカーを標榜するなかで、高いキープ力を誇る大久保の存在は欠かせない。大久保が輝いた前半と、消えてしまった後半――。その状況がスコアにはっきりと表れたこのG大阪戦は、風間監督の5年間を象徴した一戦だったのではなかったか。

「まだまだ伸びている最中のチームですから」

 指揮官は自らのチームをこう表現する。

「完成形でもないですし、いろいろなところを補強しているわけでもない。このなかで伸びていかなければいけないのが、フロンターレだと思います。そういう意味では、よく選手はやっていると思いますし、明日になったらまた大きな違う力を発揮してくれるんじゃないかという期待が、いつでも持てるチームになったなと思います」

4 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る