風間八宏のフロンターレ5年間を象徴。大久保嘉人なしで成り立つのか (3ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by AFLO

 そのスタイルのキーマンは、やはり大久保嘉人だろう。得点源のFW小林悠が負傷離脱したこともあり、この日は本来のFWではなく、トップ下でのプレーとなったが、出し手であり、受け手である彼の存在が川崎Fの攻撃の中心軸を担っていたのは間違いなかった。

 自身のゴールこそなかったが2得点に絡み、それ以外にもチャンスの場面に必ず背番号13の姿があった。4年連続の得点王がかかった今季は15ゴールにとどまり、トップスコアラーの称号を手放したものの、チームの得点数68はリーグ最多。過去3年と比べても、もっとも多い数字である。

「嘉人さんは絶対(ボールを)失わないので、動き出しもしやすい。自分のことよりも、自分たちにいいプレーをさせようと意識してくれていたと思うので、助かりました」と振り返ったのは、先制ゴールを奪ったFW長谷川竜也だ。長谷川だけでなく、2点目を奪った三好も含めた若い前線のふたりが躍動できたのも、大久保の気の利いたプレーがあってこそだろう。小林が今季自己最多となる15ゴールを記録できたのも、大久保の果たした役割が大きかったはずだ。

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