さらば「失速」。2ndを制した浦和レッズは昨季までと何が違うのか (3ページ目)

  • 神谷正明●文 text by Kamiya Masaaki
  • photo by YUTAKA/AFLO SPORT

 また、MF駒井善成の活躍も大きい。

 今季、京都サンガから移籍してきたドリブラーは、開幕からしばらくは限られた時間しか出場機会を与えられなかった。しかし、最初は面食らったという浦和のインテンシティの高い練習とハイクオリティーのサッカーに慣れていくに従って、徐々にプレー時間を伸ばしていった。そして最近では、右ウイングバックとして欠かせない存在となっている。

 シーズン当初はあまり出番がなくて、疲労の蓄積もなかった彼らが、体力の消耗が激しい夏以降にプレー機会を増やしていったことは、チーム全体のコンディションを高いレベルに保つことにひと役買った。

 特に興梠と遠藤は、過密日程のシーズンを過ごしていたうえ、リオ五輪にも参加したことで、帰国後は当然のようにコンディションを大きく崩していた。ペトロヴィッチ監督はこれまで、コンディションの善し悪しに関係なく、メンバーを固定して戦う傾向が強かったが、今回は攻守の要であるふたりをスタメンから外す選択をした。

 彼らを起用しなくても、その穴を埋められる戦力がいたからだ。ペトロヴィッチ監督自身、「サブ組」だった選手が主力を務めても、レベルの高いサッカーができるという手応えを得ていたに違いない。

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