2012年に降格した神戸の状況に類似。ジュビロ磐田のJ1残留なるか (2ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by Masashi Hara/Getty Images

 今季の磐田と類似した例として思い出されるのは、2012年シーズンのヴィッセル神戸だ。

 この年、神戸はJ1第23節終了時点では、勝ち点33の11位につけていた。降格圏の16位アルビレックス新潟とは勝ち点9差があり、順位のうえでも、勝ち点のうえでも、降格危機を心配するような状況ではなかった。

 しかしその後、8試合連続で勝利から遠ざかった神戸は、それでも何とか15位で粘っていたものの、最終節も敗れてついに16位に転落。まさかのJ2降格となった。

 確かに、当時の神戸は最終節を前にした段階で、すでに降格圏の16位とは勝ち点1差しかなく、今季の磐田よりも危機的状況にあった。とはいえ、一時は安全圏につけながら、勝ち点を伸ばせない状況に歯止めがかからない様子はよく似ている。

 磐田にとっては直近の試合(セカンドステージ第16節)、浦和レッズ戦も勝てばもちろん、引き分けでもJ1残留を自力で確定させられる試合だった。だが、年間勝ち点トップの浦和との実力差は大きく、スコア(0-1)以上の完敗。結局、J2降格の可能性を最終節まで引きずることになってしまった。

レッズ相手になかなかチャンスを作れなかったジュビロ。FWジェイ(右)も沈黙レッズ相手になかなかチャンスを作れなかったジュビロ。FWジェイ(右)も沈黙 MF太田吉彰は、「ホーム最終戦を勝って終わりたかったが、正直、浦和のほうが強かった」と認め、こう語る。

「試合前は、自力で残留を決められるので、自分たちのサッカーをやろうと話していた。前から(プレスに)いってボールは奪えたが、そこからイージーミスが出てカウンターにつながらなかった」

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