残留か、降格か。ヴァンフォーレは「アラフォーたち」に最終戦を託す (4ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by AFLO

 クリスティアーノの代役としてシーズン途中に加入したダヴィはなかなか調子が上がらず、2ndステージに入ってもチームの得点力不足は解消されず。それでも、大敗を喫する試合が多い一方で、守備を徹底した試合では1−0で勝利を収めるなど勝ち点を拾い上げ、他チームの低迷もあいまって、なんとか年間14位に踏み止まっていた。

 試合後に記者から得点力不足を指摘された佐久間悟監督は、「そういうサッカーを選択せざるを得ない状況」と、苦しいチーム事情を吐露した。その背景には「主力の流出」という、金銭力に乏しい地方クラブの運命がある。

 甲府に関していえば、クリスティアーノに加え、開幕前には成長著しいFW伊東純也も柏に移籍。FW阿部拓馬もFC東京へと活躍の場を移している。さかのぼれば、昨シーズンはDF佐々木翔、一昨シーズンはMF柏好文がいずれもサンフレッチェ広島に移籍。結果的にチームにとどまるのは、経験のない若手か、峠を過ぎたベテランに限られる。

 この日の甲府のスタメン平均年齢は、ちょうど32歳。最終ラインにいたっては、42歳のDF土屋征夫を筆頭に、36歳のDF山本英臣、同じ36歳のDF津田琢磨と、平均年齢38歳という「高齢3バック」が並んだ。ボランチとして出場したMFマルキーニョス・パラナも39歳で、ベンチには38歳のDF石原克哉と40歳のFW盛田剛平が控えていた。選手寿命が延びてきているとはいえ、若手を重宝して世代交代が起こりやすいサッカー界にとって、"アラフォー"たちが主軸をなす甲府のメンバー構成は、極めて異例だろう。

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