【恩田社長の600日】もっともっとスタッフと一緒に働きたかった (2ページ目)

  • 恩田聖敬●文 text by Onda Satoshi

 地域活性に終わりはありません。常に未来に繋がっていかなければなりません。そう考えると、最も大切なのは地域に住む子どもたちの思いです。子どもの作る未来の地域に、我々大人は住ませてもらいます。未来の地域が住みやすい世界かどうかは、子どもが決めます。

 そのことについて、自分の子どもに教えられたことがあります。今年5歳になった息子は、門前の小僧何とやらで、すっかりサッカー大好き少年になり、今やFC岐阜だけでは飽き足らず、代表戦なども食い入るように見ています。FC岐阜があったおかげで、彼はサッカーという新たな人生の楽しみと出会えたわけです。

 そんな息子がジェフ千葉戦の前に「千葉とは試合したくない」というのです。訳を聞くと「(岐阜県に引っ越す前に住んでいた)千葉には、お友だちがたくさんいるから戦いたくない」と答えました。わずか5歳の息子が、自分にゆかりのある土地を明確に認識して、特別な思いを持っているのです。見方を変えれば、相手が千葉でなければ、息子の中ではダントツに「FC岐阜勝て!」なのです。

 FC岐阜は息子に、「僕は岐阜の子」という、強いアイデンティティを与えたのだと思います。これって実はすごいことではないでしょうか? 私がふるさと岐阜県で働きたいと思ったように、子どもたちが地域に思い入れを持つことが、未来の肥やしになります。そう思うと、FC岐阜の存在そのものが、未来への地域おこしなのかもしれません。

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