無念のJ2降格に想う。それでも「湘南スタイル」を捨ててはいけない (4ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by Getty Images

 すべてのクラブが優勝を目指せるわけではない。ましてや、J1は18クラブもある。欧州リーグに比べれば均一化されてはいるものの、予算規模にはやはり格差があり、身の丈に合った目標設定に相違が生まれるのは当然のこと。負けてもいいとは言わない。勝つのがいいに決まっている。それでも勝利は最善であり、必須ではない。結果至上主義では、おそらく文化は育まれない。

 もちろん、降格という出来事はショッキングではあるものの、ふたたび力を蓄え、エンターテインメントの質を高める時間だと考えれば、そのシナリオも悪くはないだろう。

「湘南スタイル」というひとつのムーブメントが生まれた事実は、代えがたいものだ。監督が代わり、スタイルが変わるチームはいくつもある。それでも湘南は、このサッカーを捨てるべきではない。たとえ勝てなくても、ファンンの感情を満たし続けた、このスタイルを――。

 せっかく生まれたクラブのカラーを失うことは、おそらく降格よりも悲劇である。

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