ルヴァンの女神はレッズに微笑む。ガンバがわずかに見せた「心の隙」 (3ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 敗れても挽回の余地が残されるリーグ戦ならではの戦い方が、開始早々の高木のゴールにつながったというわけだ。しかし、「やるか、やられるか」のカップ戦では、その考え方は成り立たない。それゆえ浦和は慎重に試合に入っていたし、G大阪と同様に、いかに隙を見せないかを意識していたのは間違いなかった。

 もっとも、17分の失点シーンには隙があったと指摘せざるを得ないが、リードを奪われても浦和は慎重な姿勢を崩さないでいた。そこには、過去の失敗から学んだものがあると、柏木は言う。

「負けている状態で、攻めに行き過ぎなかったところが大きかった。1点取れる自信はあったし、チームとしてゲームをコントロールできるところがよかった。攻め急いでカウンター食らうシーンがこれまでは多いなかで、時間を作ることが必要だと思っていた。うまくゲームをコントロールできたところが、チームとしても、個人としても成長した部分だと思う」

 たしかにこれまでの浦和だったら、攻め急いでバランスを崩し、カウンターで失点を重ねる......いわば自滅の道を辿っていたかもしれない。しかし、この日の浦和はあせらずに我慢して、組織のバランスを保ち続けた。

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