ミスを恐れず。原口元気の「野性プレー」がハリルジャパンの攻撃の形 (4ページ目)

  • 津金一郎●構成 text by Tsugane Ichiro
  • photo by Getty Images

 代表の試合で起用された若手には、チームのバランスを崩すことや、ミスを怖れる傾向がある。そうやって本田圭佑や香川真司、岡崎慎司らの顔色を伺うプレーをしていたら、持ち味を発揮できないまま試合が終わってしまいかねない。だが原口は、がむしゃらに自らの持ち味であるダイナミックなプレーをして、ゴールという結果を出した。

 原口の活躍によって注目したいのが、これまで代表で実績を積んでいる宇佐美貴史や武藤嘉紀だ。原口にポジションを奪われたまま終わるような選手ではないだけに、彼らが切磋琢磨しながら代表の世代交代を推し進めることに期待したい。

 また、守備陣はここまで4戦4失点と、安定しているとは言い難い。苦しんだ要因に、「ヘディングのパワー不足」がある。これは日本サッカー界の長年の課題でもあるが、DFラインからヘディングで弾き返す時に、日本人選手は強豪国の選手と比べると飛距離が出ない。そのため、オーストラリア戦のようにラインを押し上げてきた相手にクリアボールを拾われ、相手の波状攻撃を受けてしまう。

 相手の中盤の頭を越えるクリアができれば、仮にボールを拾われたとしても、相手はいったん自陣を向くことになるので勢いを削げる。ただし、急なパワーアップが見込めない以上、DFのクリアボールを拾えるように、前線や中盤の選手がポジショニングで工夫していく必要があるだろう。

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