ミスを恐れず。原口元気の「野性プレー」がハリルジャパンの攻撃の形 (2ページ目)

  • 津金一郎●構成 text by Tsugane Ichiro
  • photo by Getty Images

 ここまでの試合内容を問えば、決して満足できるものではない。しかし、W杯最終予選は結果がすべて。どんなに内容が良くても、負けて本大会への出場権を逃しては身も蓋もない。

 日本代表は過去に、98年フランスW杯を目指すアジア最終予選の途中で加茂周監督が更迭され、岡田武史コーチが昇格したケースがある。岡田体制に移行した3戦目にアウェーでの韓国戦に勝利したことで、「ジョホールバルの歓喜」につながったが、監督交代直後に行なわれた2戦はどちらも引き分けだった。

 監督交代は選手の発奮材料になるものの、チームを立て直す即効性は期待しにくい。試合をするのが選手である以上、メンバーを大きく変えない限りはピッチで見せるサッカーに大差はないからだ。

 さらに言えば、オーストラリア戦後にハリルホジッチ監督は「勝ち点2を失った試合」とコメントしたが、過去2大会のW杯予選でオーストラリアに3分1敗の日本代表が、勝ち点1を積み重ねられたことは決してネガティブな結果ではない。コンディション不良の選手が多く、故障者も相次いだことで守備的なサッカーを選択し、そのなかでも勝利をつかみかけただけに悪い内容ではなかった。一定の形に固執せず、相手に応じてスタイルを切り替えられる柔軟性が今後さらに求められるだろう。

2 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る