【恩田社長の600日】無償の愛でチームに 尽くすサポーターは「ぎふの誇り」 (2ページ目)

  • 恩田聖敬●文 text by Onda Satoshi


 試合当日は、関係者受付、配布係、ゴミ回収ステーション運営、各ブースのフォロー、場内清掃、コンシェルジュと、毎試合30~50人規模で助けてもらっています。彼らのプロ意識は高く、よりよいスタジアムとするために、さまざまな意見を出してくれます。チームへの愛の成せる行動だと思います。ありがたいかぎりです。

 改めて振り返ると、私が社長就任した時、サポーターは激動の中にいました。

 2014年、ラモス監督や川口選手の加入によって、いきなり「にわか」のファンが増えました。そこで自分たちの存在が小さくなっていくような感覚に陥り、戸惑いを隠せず、時として新たなサポーターに対して、排他的にも取れる言動をするコアサポーターもいました。しかし、そもそもの彼らの望みは、「FC岐阜をもっと多くの人が応援してくれるようになること」であったはずなのです。

 混乱しながら1年を終え、迎えた2015年シーズン、チームは大きく低迷する中、彼らは「仲間を増やす」方向に舵を切りました。自分たちのこだわりや自負より、チームにとってよいことを選択します。その成果が現在のゴール裏です。

 2015年シーズン途中からのスタジアム改修工事に伴い、コアサポーターの応援場所が、バックスタンドゴール裏寄りから完全にゴール裏に移りました。この移動は大成功で、応援の集団がひと回りもふた回りも大きくなりました。ぜひ、以前と比べて見てほしいです。

 そんなサポーターたちと私は、ある場所でコミュニケーションしていました。

 私は社長就任後、開門時には入場ゲートでお客様をお出迎えし、試合はピッチ脇で立って観戦し、試合が終われば、ダッシュでゲートに行き、お見送りしてきました。お客様に一番近い場所で表情や反応を見ることで、興行としての手ごたえを確認していたのです。

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