データも強さを証明。青森山田の「頭と体をフル稼働させる」サッカー (3ページ目)

  • スポルティーバ●文/撮影 text&photo by Sportiva


 序盤は準決勝までの元気が鳴りを潜めていた青森山田イレブンだったが、千葉貴仁コーチの「しゃべって頭を動かせ!」という指示で息を吹き返す。声が大きくなるとともに硬さがとれ、尚志の攻撃にしっかり対応。尚志のキーマンである伊藤の縦への仕掛けをケアし、高い位置からプレスも機能しはじめた。

 ボールを奪取すると、43番MF・バイロンを経由しながら相手陣内の両サイド深くにパスを集め、前後半合わせて14本ものクロスを上げた。その攻撃が実ったのは、前半の32分。右サイドバックの30番・片山がDFの背後に抜け出してクロスを上げると、先にゴール前に飛び込んだ31番FW・小松が相手DFを引きつけ、フリーになった72番FW・檀崎が頭でゴール左隅へ押し込んだ。

 点が入ったことで、青森山田のプレスはさらに激しさを増す。中盤を支配され、ショートパスがつながらなくなった尚志はロングボールを多用するも、空中戦勝率100%を誇る81番・二階堂と36番・橋本のCBコンビがことごとく跳ね返した。試合終了間際にはセットプレーから立て続けにピンチを迎える場面もあったが、青森山田は全員が自陣に戻ってこれを阻止。前半に挙げた1点を守り切り、勝利の笛が鳴った瞬間に選手たちは喜びを爆発させた。

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