レッズに完敗。「勝負弱くなった」
ガンバに立ち直る術はあるのか

  • 飯尾篤史●文 text by Iio Atsushi
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 それでも、0-1のままゲームを折り返し、ハーフタイムですかさず修正したのは見事だった。遠藤をトップ下に移し、中盤がダイヤモンドの4-4-2へとフォーメーションを変更したガンバは、狙いどおりレッズのプレスをかわし、敵陣内へと攻め込んでいく。ボールを保持できるMF藤本淳吾も投入したことで、形勢は前半とは明らかに変わり、イーブンか、ややガンバのペースになりつつあった――その直後のことだった、痛恨の2失点目を喫したのは。

 この試合で最後まで手を焼いていた、レッズ右サイドの駒井善成の仕掛けから、最後はMF武藤雄樹に左足でミドルシュートを叩き込まれた。

 遠藤が「なんでもないミドルを決められた」と振り返ったこの場面、武藤の前にガンバの選手たちがいるのに、誰も厳しく寄せにいかなかった。こうした辺りにも、岡田氏が指摘した「勝負弱くなってきた」要因が見えた。その後、MFアデミウソンの不用意な報復行為による退場で、勝負は完全に決してしまった。

 この完敗によってガンバは、セカンドステージ3位から5位に転落し、首位・レッズとの勝ち点差は7に開いた。残り3試合に全勝しても、レッズが1勝すれば優勝の芽は潰(つい)えてしまう。年間順位でも3位のアントラーズとは8差のままで、チャンピオンシップ出場は絶望的だ。

 2年前の三冠王者ははたしてこのまま、勝負弱くなってしまうのか......。

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