J3降格危機からJ1昇格争いへ。7月を境に横浜FCで何が起きたか (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Getty Images

 イバは7月からの13試合で9得点の荒稼ぎをしている(32節終了現在で12ゴール、得点ランク5位)。京都戦では左足での鮮やかなFKも決めた。ゴールするたびに自信をつけ、前線でのポストワークが冴え、体を張ってファウルを誘い、起点も作れるようになった。今や完全に戦術のキーマンとなっている。

 Jリーグでは外国人選手に必要以上の仕事を求め、がんじがらめにする傾向がある。セレッソ大阪のディエゴ・フォルランがいい例だろう。イバのイメージも、「スピードがないし、従順でなく、身長のわりにヘディングも強くない」と悲観的なものが多かった。それが福田の楽観的評価によって、「フットサル仕込みの技術でボールを収め、コンタクトプレーの強さで敵センターバックにストレスを与え、左足でゴールを叩き込める」と様相は激変した。

 一人の選手の力が引き出されつつあるのは間違いない。もしこの効果が全体に波及していったら――。

「(福田ダイレクターは)とにかく明るいし、それによってチームの雰囲気は変わりましたよ。とくに外国人選手に与える影響は強いというか。気持ちよくプレーさせていますよね」

 京都戦、2本のPKを止めた南も、福田という触媒が刺激を与えていることを実感している。

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