小倉「解任」に思う。指導者育成なくして
日本サッカーの未来は拓けない

  • 津金一郎●構成 text by Tsugane Ichiro
  • photo by Getty Images

 それでも、日本人監督のレベルの向上は、日本サッカー全体のレベルアップに欠かせない要素であることは間違いない。そして、監督業がスペシャリストである以上、外国人監督を招聘するばかりではなく、日本人監督が育つ環境を日本サッカー界でどうつくるかを考えなければいけない。

 日本人監督がJ3、J2、J1で切磋琢磨し、結果を残してステップアップしたその先に「日本代表監督」になる、という構造になって初めて、日本人の特長を生かした"日本人らしいサッカー"が、どのレベル・どの年代であっても具現化できるようになると私は考えている。

 近年は、オランダやドイツなど海外で指導者のキャリアをスタートさせる日本人も出てきているが、そうした海外で経験を積むことも含め、日本サッカー全体で指導者育成にもさらに注力すべきだろう。日本サッカー協会やJリーグ、そして各クラブに、未来への投資としての指導者育成の意識を持ってもらうことを、今後も期待したい。

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プロフィール

  • 福田正博

    福田正博 (ふくだ・まさひろ)

    1966年12月27日生まれ。神奈川県出身。中央大学卒業後、1989年に三菱(現浦和レッズ)に入団。Jリーグスタート時から浦和の中心選手として活躍した「ミスター・レッズ」。1995年に50試合で32ゴールを挙げ、日本人初のJリーグ得点王。Jリーグ通算228試合、93得点。日本代表では、45試合で9ゴールを記録。2002年に現役引退後、解説者として各種メディアで活動。2008~10年は浦和のコーチも務めている。

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