福田正博が考えるJリーグ放映権「2100億円」の有効な使い方 (3ページ目)

  • 津金一郎●構成 text by Tsugane Ichiro
  • photo by AFLO

 4万人、3万人、2万人とスタジアムの規模は違っても、つねに超満員のサポーターがスタンドを埋めるスタジアムが放つ熱気は、リーグ全体の注目度を高めることにつながる。これはイングランドのプレミアリーグが証明している。

手にした放映権料でリーグをさらに盛り上げる施策を実施し、新たなファンを獲得することができるか手にした放映権料でリーグをさらに盛り上げる施策を実施し、新たなファンを獲得することができるか しかし、Jリーグは浦和が4万人以上のサポーターを動員しているにもかかわらず、ホームの埼玉スタジアムの最大収容人員が6万人以上もあることから空席が目立ってしまう試合もあり、盛り上がりに水を差してしまいかねない。こうしたことは浦和に限らず、Jリーグのいくつかのスタジアムで見受けられる。

 もちろん、スタジアムはクラブや自治体が所有しているケースが多いため、改修にはクリアしなければならない点もあるが、ピッチと観客席が近いガンバ大阪ホームの吹田スタジアムのように、サポーターがまた足を運びたいと思えるような、クラブの集客数にフィットしたスタジアムを増やすことも、Jリーグの魅力を高めるために必要なことだろう。

 2100億円の放映権料の使途として有力視されているのは、53あるJリーグ加盟クラブへの分配金の増加だ。しかし、それだけで有益な効果を得られるかと言えば、疑問も残る。現状では、各クラブが分配金の効果的な使い方に知恵をしぼり、アイデアを出したとしても、実現に移そうとするとJリーグの規約が立ち塞がり、結局は身動きができなくなってしまうケースもあるからだ。

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