浦和に完敗してもなお、サガン鳥栖のイタリア人指揮官は自信満々 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Yamazoe Toshio

 そこからは敵陣での出足鋭い守備がはまり、波状攻撃を繰り出し、カウンターを許さなかった。

「クラブ史上最高にきつい練習」(豊田) 

 練習量の豊富さで相手を凌駕。足回りが良く、セカンドボールの準備・反応で上回った。

 しかし、戦力的に上の浦和に次第に盛り返される。前半41分だった。右サイドの関根貴大にポイントを作られ、バックラインの前で回された後、落とされたボールを宇賀神友弥にミドルを蹴り込まれた。

 分岐点となったのは、そのわずか3分後だ。失点のショックか、鳥栖のバックラインがずるずると下がり、敵にスペースを与えてしまう。そして前半44分、再び右サイドで関根に起点を作られ、守備陣形がたわむ。そこで背後へスルーパスを通され、持ち込んだ武藤雄樹に叩き込まれた。GK林彰洋の飛び出しも、少々迂闊(うかつ)だった。

「あの3分間はあってはならないことが起こった。それ以外はパーフェクトだったが」とフィッカデンティ監督は悔しがった。2点のビハインドは重くのしかかり、ゲームプランを変更せざるを得なくなった。

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