レイソルの若手を「ビシッと叱る」。大谷秀和の存在が戴冠へのカギ (3ページ目)
大谷は現チームが抱える甘さを指摘する。守備の強度に欠け、連動した動きができない。ボールを持って能動的に動けているときはいいが、受け身になったとき、相手に流されてしまうところがある。
「柏の若い選手は、みんな真面目。何事にも真剣に取り組む。それに、下から上がってきた選手たちは、パス回しとか、完成型としてできているんです。でも、いざ勝負になったとき、厳しさが足りない。例えば、味方の選手がもう一歩が出ないとき、ごめん、いいよ、で済ませてしまう。仲のよさが甘さになってしまっているところもある」
その点、大谷が怪我で不在だった首位・川崎戦で勝利を収めた事実は大きい。しかも、ボール支配を譲る展開ながら、我慢強く守り、セットプレーで着実に加点。終盤の戦いにつながるゲームだった。
若さは危ういが、勢いにもなる。この中断明け、戦列に戻る予定の大谷も手応えを感じるからこそ、希望を託している。
「ボールを大事にする、このサッカーには可能性があると思います。若い選手には経験を積んでほしい。力は持っていると思うから」
勝利することで、プレーに確信が生まれる。そのとき、若い選手たちは駆け引きでも優位に立てるかもしれない。才気ある人材はいる。大谷の気概に触発された中村、中谷、DF中山雄太、MF中川寛斗ら下部組織出身者が殻を破ることができたら――。柏は、逆転優勝の糸口をつかめるかもしれない。
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