3連勝のヴィッセル神戸。初の栄冠へ、カギを握るのは「元・問題児」 (4ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 終盤へ向けてさらなる浮上のカギを握るのは、ペドロ・ジュニオールだろう。鋭い仕掛けと決定力を備えるブラジル人ストライカーは、今季は開幕から好調を維持し、2ndステージに入ってからもコンスタントに結果を出している。

 G大阪時代には監督と衝突するなど、問題児のレッテルを張られた過去もあり、ケガがちな点も評価を高められなかった原因だった。しかし今季は、ネルシーニョ監督のもとで得点だけでなく、組織の歯車としての役割も十分にこなしており、今の神戸においてもっとも重要なキャストのひとりとして存在感を放っているのだ。

 実際にペドロ・ジュニオールが不在だったルヴァンカップ準々決勝・第2戦では、リーグ戦では勝利した浦和に0-4と完敗を喫している。昨季はケガでシーズンの半分を棒に振ったが、このアタッカーが最後まで額面どおりの活躍をすれば、神戸に栄光が訪れる可能性は、決して低くはないだろう。

 アルビレックス新潟相手に取りこぼし、サンフレッチェ広島に完敗を喫するなど、優勝を実現するにはまだまだ課題があるのも事実。一方で、リオ五輪で悔しさを味わったDF岩波拓也や、売り出し中のアタッカーMF中坂勇哉といった若いタレントによる伸びしろも期待できる。

 このまま優勝争いに生き残るのか、あるいは一時の勢いだけに終わってしまうのか――。残り7試合、ヴィッセル神戸の戦いぶりに大いに注目したい。

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