福田正博が指摘。リオ五輪で露呈した日本サッカー界の根深い問題点 (4ページ目)

  • 津金一郎●構成 text by Tsugane Ichiro

 日本サッカー界にとって長年の課題は、「選手が国際経験値をいかに高めていけるか」にある。サッカーの中心地である欧州から遠く東の果てに位置する日本にとって、体が大きく、スピードやパワーがあって、価値観の違う相手と日常的に対戦することはできない。

 そうした相手との対戦が国際大会では避けられないからこそ、日本サッカー協会は彼らと対戦ができるU-17やU-20といった年代別ワールドカップを重視してきた。だが、今回のU-23代表メンバーのように、U-20ワールドカップ出場を逃した年代は、そうした経験を積む機会が少なく、経験不足を補うには自らが海外に出なければならない。

ザルツブルグ所属の南野拓実 photo by JMPAザルツブルグ所属の南野拓実 photo by JMPA U-23世代で日常的に"国際経験値"を積んで伸ばしてきたのはオーストリアのザルツブルグに所属する南野拓実と、スイスのヤングボーイズに所属する久保裕也だろう(久保はクラブが招集を拒否したためメンバー入りせず)。つまり、他のメンバーはU-20ワールドカップの予選以後は、そうした経験を積むことができていなかった。

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