FC東京は浮上できるのか?
監督交代後2連勝も結論は持ち越し

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by AFLO

 それ以降も、FC東京は終盤の戦い方に問題を抱えていた。7月2日のサガン鳥栖戦(2ndステージ第1節)では、アディショナルタイムに2点を奪われる屈辱的な逆転負け。第3節のアビスパ福岡戦でも終了間際の失点で敗れている。もちろん、選手たちのパフォーマンスにも問題はあっただろうが、90分を通した城福監督のゲームマネジメントに非があったことも否定できない。

 その意味で理にかなった選手起用で試合の流れを変えた篠田監督の采配は、ひとまず合格点だろう。しかも途中交代のふたりは、今季U−23チームを主戦場としてきた若い選手たちである。「J3での彼らの姿勢は感じていたので、思い切って使ってみた」というように、既存の序列にとらわれない篠田監督が持つ、フラットな視点と積極采配が実を結んだ格好だ。

 まだ2試合を終えただけとはいえ、選手たちも新体制に手応えを掴んでいるようだ。「雰囲気はよくなった」と明かしたのは、トップ下の位置で躍動したMF東慶悟。とりわけ大きく変わったと感じるのは、サッカーの本質というべき戦う姿勢の部分だ。

「球際の争いだったり、前から献身的に追かけるところだったり、サッカーのベースのところですね。去年の僕たちは勝つための集団だったし、たとえ内容が悪くても、勝つためにやるべきことをやれていた。それを2年間かけてマッシモ(・フィッカデンティ監督)に植えつけてもらったけど、今年はきれいにやることを意識しすぎて、うまくいかなくなっていた。それをもう一度シノさん(篠田監督)が、僕たちに浸透させてくれている。まだ2試合目だし、これからもっとよくなっていくと思います」

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