FC東京は浮上できるのか?
監督交代後2連勝も結論は持ち越し

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by AFLO

「試合の入り方は悪くなかったが、先制点を取られてそこから追いつき、またミスで失点してしまった。ゲーム内容まだまだ未熟」と、篠田監督も厳しい表情で試合を振り返っていた。

 もっとも、ここからのFC東京はこれまでとは違った。66分にパスワークに優れるMF野澤英之を投入してボール支配率を高めると、70分に右サイドの崩しからムリキの同点ゴールが生まれる。さらに、この日がリーグデビューとなったMFユ・インスを送り込むと、この若きアタッカーがアディショナルタイムに値千金の決勝ゴールを奪うのだ。苦しい展開のなか篠田采配が見事にはまり、FC東京が3−2と逆転勝利を収めた。

 城福監督が解任された直接の引き金となったのは川崎フロンターレに敗れたことだが、その発端は6月22日の浦和レッズ戦(1stステージ第13節)にあった。

 前半のうちに2−0とリードしながら、63分にFWネイサン・バーンズをFW前田遼一に代えると、状況は一変。66分から立て続けに3ゴールを許して逆転負けを喫した試合だ。そのスピードを警戒するあまりラインを高くできなかった浦和が、ネイサン・バーンズがピッチを退くと、全体の押し上げが可能となり、怒涛の反撃を開始。たった一手で流れを失ってしまったこの選手起用は、「城福監督の采配ミス」と指摘されてもおかしくなかった。

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