U-13の試合詳細データから、日本サッカーの方向性が見えた

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva


 この大会では、主催者であるニューバランスジャパンからの粋な"プレゼント"も用意されている。データスタジアム株式会社の協力を仰ぎ、プロチームでも使用されている試合の詳細データが決勝に進出した両チームに提供されるのだ。

データスタジアムから両チームに提供されたデータデータスタジアムから両チームに提供されたデータ

 実際にU-13大会の決勝を戦ったLAVIDA、鹿島つくばJYに提供されたデータを見る際には、特に両脇の数字に注目したい。その試合で特に優れていた、特徴的だった情報を「Impact Stats(インパクトスタッツ)」として表示し、その下には、当日のフォーメーションとともに、選手たちが多くプレーしたエリアがパーセンテージと緑色の濃淡で表されている。

 そんなデータのなかで際立っているのは、敗れた鹿島つくばJYの攻撃的姿勢だ。25分ハーフの短い試合でつないだ309本というパス本数は、データスタジアムのスタッフいわく、「90分に換算しても、プロの試合よりかなり多い数字」だという。特に8番と14番のMFふたりは合わせて70本ものパスを出していることからも、チームが中盤を支配できていたことが分かる。

 また、左下のピッチの図を見ると、鹿島つくばJYはハーフウェイラインよりも前、敵陣でのプレーが多くなっている。インパクトスタッツでもA3rd(アタッキングサード:ピッチを3分割したときに、相手ゴールにもっとも近いエリアのこと)でのタックルを7回とも成功させたと出ているように、前線からプレスをかけ、そこから多くのチャンスを作り出していた。


 鹿島つくばJYの猛攻に遭いながらLAVIDAが得点を許さなかったのは、3番、19番のCBコンビの働きが大きい。各5本のクリア数は全選手のなかでもっとも多い数字で、12本のシュートを浴びながら中央で崩れず、GKと連携して最後のところでゴールを許さなかった。ちなみにLAVIDAは、予選と決勝トーナメントを合わせた全6試合でわずか1失点。この堅固な守備が、チームの快進撃を支えたことは間違いない。

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