セカンドステージ無敗。「絶好調」サガン鳥栖に何が起きたのか

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by AFLO

 豊田が語るように、多少の混乱はあったものの、守備の決めごとは徹底されていた。選手たちは迷わずに挑み続け、どうにか形になっていった。不振のファーストステージも、失点の少なさは優勝した鹿島アントラーズに次いで2位。そして守備の安定化が、時間差で良い攻撃をもたらした。ファーストステージに1試合平均1点未満だった得点力は、セカンドステージに倍まで増えたのである。

 攻撃のキーマンとなっているのは、19歳の鎌田大地だろう。

 トップ下に入った鎌田はファーストステージ、本領を発揮できていない。あおりを食う形で、リオ五輪メンバーからも落選。2トップを手足のように動かし、優雅にパスを供給する姿は見られなくなった。

 しかし、苦悶は必然だったと言える。

「2トップを追い越し、得点シーンに絡む」

 イタリア人指揮官からは、新たな役割が与えられていた。同じトップ下でも、自らがチャンスメーカーでありながら、ゴールメーカーとしても機能しなければならない。鎌田は当初、そこに戸惑った。

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