インターハイ最多のV9。市立船橋がずっと強豪校でいられる理由 (3ページ目)

  • 松尾祐希●文 text by Matsuo Yuki
  • photo by Murai Shidu

 また、昨年の総体決勝戦で東福岡にPK戦の末に敗れたことも、今年のチームに大きな影響を与えていた。昨年も決勝のピッチに立っていたMF高宇洋(こう・たかひろ/3年)が語る。

「ゲーム運びというのは、ある程度できた。1点を奪ったあと、自分たちで慌ててゲームを壊すようなことなく、(全体の)バランスをとって(相手に)やられないことが意識できていた。それは(決勝で敗れた)昨年の経験が生きた」

 堅守に限らず、さまざまな経験がしっかりと継承されている市立船橋。だからこそ、長きにわたって強豪校として君臨し、史上最多優勝を遂げることができたのだろう。

 過去の経験を糧として、輝かしい結果に結びつけた選手たちの成長ぶりについては、指揮官も目を細める。

「(選手たちは)悪いなりにも結果につなげるという勝負強さを身につけた。それは、うちの(伝統的な)よさでもあったから、そこをきちんと見せてくれたことは大きかった。毎年選手が代わる中、(今年の)選手も、チームもしっかり成長している。昨年の財産も、確実に積み上げてこられたと思う」

 今大会には、3人の1年生がサポートメンバーとして帯同。彼らの目にも、先輩たちの勇姿がしっかりと焼き付けられたはずだ。市立船橋の強さは、まだまだ揺るぎそうもない。

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