インターハイ最多のV9。市立船橋がずっと強豪校でいられる理由

  • 松尾祐希●文 text by Matsuo Yuki
  • photo by Murai Shidu

 夏のインターハイ『2016情熱疾走中国総体』(サッカーは7月27日~8月2日)が広島県で開催された。

 注目の男子サッカーは、全国屈指の激戦区である千葉県勢同士が決勝で激突。第2代表の市立船橋が、第1代表の流通経済大柏(以下、流経大柏)を1-0で下して、史上最多となる9度目の優勝を飾った。

 今年の市立船橋はもともと前評判の高いチームだった。ユース年代のトップリーグであるプレミアリーグEASTでも、前半戦終了時点で5勝3分1敗の成績を残して首位を快走。そういう意味では、今回の優勝も順当な結果と言える。

インターハイで9度目の優勝を飾った市立船橋インターハイで9度目の優勝を飾った市立船橋 総体決勝では3度目の対決となる流経大柏との一戦でも、さすが試合巧者らしい戦いを見せた。序盤は、長いボールを駆使しながら、球際での激しさで勝負してきた流経大柏に主導権を握られるも、安定感を誇るDFラインを中心に慌てることなく対処。プロ注目DF杉岡大暉(すぎおか・だいき/3年)が冷静に相手攻撃を跳ね返せば、DF原輝綺(はら・てるき/3年)やDF金子大毅(かねこ・だいき/3年)も的確な位置取りと巧みなカバーリングで未然にピンチを防いだ。

 一方で、この日は攻撃陣が沈黙。互いによく知り尽くした相手ということもあって、なかなか決定機を生み出すことができなかった。市立船橋のシュート数は前後半を通じて6本にとどまったが、それでも前半終了間際、FW野本幸太(のもと・こうた/3年)が左サイドを突破。最後はゴール前に走り込んできたFW村上弘有(むらかみ・こうゆう/3年)が貴重な先制ゴールを決めた。

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