J2得点ランクトップ。V・ファーレン長崎の永井龍って誰だ (4ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by (c)VVN

 そんな永井の変貌ぶりには、長崎・高木琢也監督の存在が大きく影響していることは間違いない。

 現役時代には「アジアの大砲」の異名を取り、日本代表のストライカーとして活躍した高木監督は、永井にとっては「初めてのFW出身の監督」。と同時に、「FWにしかわからない、感覚的なことを教えてもらえる」指南役である。

「高木監督から教えてもらうことは、自分にとってかなりデカい。動き方だったり、走り込むタイミングだったり、ちょっとしたことだけど、教えてもらったことが実際に試合に出ている。FWが点を取るときってこんな感じなんやろなっていうか、きっかけをつかんで取り始めたらどんどん取れる。それはプロになって初めて味わう感覚だし、こういう感覚は高校生のとき以来」

 かつてはU-19日本代表に選ばれるなど、将来を嘱望されながらも、プロの世界ではその才能を花開かせることができずにいた永井だったが、7年目の今季、ようやく眠れるストライカーは覚醒し始めた。

 とはいえ、シーズンはまだ折り返し地点を過ぎたばかり。1年を通して主力としてプレーした経験がない永井には、肉体的にも精神的にもここからが本当の勝負。真価が問われる戦いとなる。

 もちろん、永井自身もそのことをよく理解している。だからこそ、「得点ランクのトップになったことで、メディアの人からも今はチヤホヤしてもらえるけど、『別に途中のトップはいらんねんなぁ』って感じ」と苦笑し、浮ついた様子を見せることはない。

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