J2得点ランクトップ。
V・ファーレン長崎の永井龍って誰だ

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by (c)VVN

 長崎を選んだ理由は単純明快。どこよりも早く手を挙げてくれ、どこよりも熱心に誘ってくれたからだ。しかも、「移籍するならレンタルじゃないな、と思った」という永井は、セレッソという保険を残したままの期限付き移籍ではなく、長崎への完全移籍を選択。退路を断っての勝負に出た。

 新天地に移った永井は、まさに水を得た魚だった。

「キャンプのときから、J2との練習試合だけでなく、(浦和)レッズ相手にも点が取れていたので、『今年はちゃうかも』と思っていた」

 開幕戦のツエーゲン金沢戦から先発でピッチに立った永井は、そこでいきなりゴールを決めると、「何かをつかんだ感覚があった。そのときに『1シーズンフルに試合に出たら、結構取れるぞ』という自信が生まれた」。

 その自信があったからこそ、数試合得点から遠ざかり、足踏みすることがあっても、「引きずらず、すぐに気持ちを切り替えられた」という。順調に得点を積み上げてきた永井は、長崎のチーム総得点(28点)のおよそ半数をひとりで叩き出している。

 コンスタントにゴールを重ねることで、「プレーに余裕が出たし、プレーの幅が広がってきた」と語る永井。13点目となる第24節の水戸ホーリーホック戦でのゴール(相手DFが寄せてきているにもかかわらず、こぼれてきたボールをワンタッチで蹴り込んだ)を振り返り、「以前だったら、あんなタイミングで足が振れたかな」と、自身の変化に驚きの様子さえ見せる。

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