J2得点ランクトップ。V・ファーレン長崎の永井龍って誰だ (2ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by (c)VVN

 そう語り、弾けるような笑顔を見せる永井は、セレッソ大阪の育成組織出身。2010年にトップ昇格して以来、2013年にAリーグ(オーストラリア)のパースへ、昨季も一時大分トリニータ(J2)へ期限付き移籍してはいるが、ほぼセレッソ一筋でプレーしてきた。

 しかし、トップ昇格後はレギュラーの壁が厚く、なかなか出場機会を得られない日々を過ごした。数字上の出場試合数はそれなりに増えていくものの、そのほとんどが交代出場。わずか5分や10分で結果を残すのは難しく、FWというポジションでありながら、プロ入り後は長らくゴールから遠ざかった。

 ようやくプロ初ゴールを挙げたのは、5年目の2014年のこと。当時を振り返り、永井が語る。

「たとえ短い時間であろうと、与えられた機会にゴールできない自分に不甲斐なさも感じていたが、心のどこかで『もっと試合に出られれば得点できる』という自信もあった。だから、コンスタントに試合に出られるところに行きたかった。それでも(得点を)取れなければ諦めがつくから」

 と同時に、「セレッソというブランドを"保険"にして、『試合に出られなくても仕方がない』と言い訳しているところもあった」と、自分の中にある甘さに危機感も覚えていた。

 はたして、永井は出場機会を求めて移籍を決断する。

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