福田正博が痛感。フィジカルが弱い日本代表は、何を磨くべきか (2ページ目)

  • 津金一郎●構成 text by Tsugane Ichiro

 これまで世界的なサッカーの潮流は、スペインがユーロ2008で優勝して以降、テクニカルな方向で進化を遂げてきた。スペインは2010年W杯南アフリカ、ユーロ2012でもチャンピオントロフィーを掲げたが、2014年W杯ブラジルでは、テクニカルなパスワークに強靭な肉体を武器とするハードワークを加味したドイツが優勝を遂げた。

 最先端のサッカーがこうした流れにありながらも、ユーロで結果を出したチームはその流れに乗ることなく、自らの強みを最大限に伸ばすスタイルを選んだのだ。

 もちろん、ポルトガルはフィジカルだけではなく、ポゼッションもできるうえに、クリスティアーノ・ロナウドという世界最高レベルの選手がいる。また、ウェールズにはガレス・ベイルがいる。単独でゴールを奪い切れる稀代のアタッカーを擁するからこそ、予想以上の結果を出せたといえる。

 だが、肝心なのは、彼らが「自分たちが勝つには、何が武器なのか」を見きわめ、その武器を磨きあげたということだ。そして、この部分こそが日本代表と世界を比べた時に、4年前よりも差が広がっていると感じる点だ。

 日本代表も、2006年にオシム監督が就任後、岡田武史監督、ザッケローニ監督へと指揮官の座が引き継がれた頃は、日本らしいサッカーを追求していた。少なくとも私はそう思っている。

2 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る