ニュー反町スタイルのJ2松本山雅、1年でJ1復帰に向け快走中

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by AFLO

 値千金の決勝ゴールが決まった瞬間、スタジアム全体で歓喜が爆発した。

 J2リーグ第25節、ホームにV・ファーレン長崎を迎えた松本山雅は、1-0で勝利。前節、コンサドーレ札幌に敗れ、それまで続いていた連勝は5でストップしたが、ひとつの敗戦を引きずることなく、続く試合をしっかりと勝ち切った。

 勝ち点を50に伸ばした松本は、2位をキープ。開幕前には"2強"と目されていたセレッソ大阪、清水エスパルスを抑えて、来季J1への自動昇格圏内を守っている。

熱狂的なファンにも支えられ、順当に勝ち星を重ねている松本山雅熱狂的なファンにも支えられ、順当に勝ち星を重ねている松本山雅 現在のJリーグでは、J1とJ2の間で毎年3クラブが入れ替わる。つまり、必ず3クラブがJ1からJ2に降格するということだ。J2降格の憂き目にあった選手はほぼ例外なく、涙ながらにこう語る。

 絶対に1年でJ1に戻ってくる――。

 しかし、実際のところ、J2に降格したクラブが1年でJ1に返り咲くことは、それほど簡単なことではない。

 J2が現行の22クラブになった2012年以降、降格から1年でJ1復帰を果たしたクラブは5。毎年必ず3クラブが降格してきているのだから、その確率は12分の5と50%にも満たない。単純な数字だけを見ると、悪くない確率にも感じるが、擁している選手の能力や前評判を含めて考えれば、これはかなり低い確率だと言っていい。

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