新鋭・横浜創英は異色の「丁寧なサッカー」でインターハイ優勝を目指す (3ページ目)

  • 佐藤 俊●文・写真 text & photo by Sato Shun

「サッカーで結果を求めるには堅守速攻がいいのかもしれないですけど、私たちはフロンターレのようなサッカーをして、勝ち続けていきたいと思っています」

 そのサッカーを実現するために宮澤監督はある能力をすごく重視している。その能力の高さが今のチームのスタイルを実現し、さらに伸びしろを感じているという根拠になっている。

「私が重視しているのは、感じる力、気づく力です。技術は練習すれば向上しますが、これは練習の中で育てるのがなかなか難しい。でも、うちの選手はそのふたつの能力が高くて、なおかつ頭で整理ができる。

  たとえば、守備は教えてもなかなかうまくならないですし、アグレッシブに行くんだということぐらいしか伝えられないんですが、うちの選手はどこにボールが 落ちてくるとか、どこが危ないとか、あの選手がミスするかもしれないとか、感じたり、気づいたり、予測する力がある。アンテナが非常に高感度なんです。だ からこそ、私のイメージしているサッカーを実現できているんだと思います」

 その力を養うためにチームでは単純なシュート練習やパス交換な どに時間を割かず、敵と味方がいる中で必ず判断が生まれ、"気がつく"ことが多い試合形式の練習をこなしている。さらにビデオでの修正作業も欠かせない。 その時、その場面で自分がどんなプレーをしたのか。当日か、遅くても翌日には行なう。そのイメージが残っていると修正が早くできるからだ。

3 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る